坪単価で知っておくべき5つのポイント

坪単価で知っておくべき5つのポイント

家の価格を判断するための基準として『坪単価』があります。

実際、多くの方から坪単価についてご質問をいただきますし、
それをもとに価格の高低を判断されている方も多くいらっしゃるでしょう。

ですが、実は坪単価というものはほぼ当てにならないのです。
今回はその理由についてお伝えしていきたいと思います。


坪単価があてにならない理由

坪単価は、以下の5つの項目によって大きく異なってきます。

今からお話しさせていただく5つの項目が
どのようになっているのかで、
安くもなれば高くもなるということです。

では早速、具体的にお伝えしていきましょう。


坪単価に違いを生じさせる要因 その1

坪単価に違いを生じさせる1つ目の要因は
『家の形状の違い』です。

坪単価というものは、建てる家の形状に大きく左右されます。
例えば、延床面積が同じだったとしても、1階が広く2階が小さい家と、
1階と2階が同じ広さの家(総二階の家)では全く坪単価が違ってきます。
ましてや平屋ともなれば坪単価はグンとアップすることになります。

あなたが建てたいと願う家がどんな家なのかを相手に伝えないままで、
ただ単に坪単価だけを聞いて判断してしまうと、
本当に選ぶべきパートナーを見過ごしてしまうことになりかねないので、
その点に注意していただければと思います。


坪単価に違いを生じさせる要因 その2

坪単価に違いを生じさせる2つ目の要因は
『メーターモジュールと尺モジュールの違い』です。

これは、柱が立つ間隔の差のことです。
メーターモジュールでは、1m間隔で柱が立ちます。
尺モジュールでは、91cm間隔で柱が立ちます。
ですので、同じ間取りプランを描いたとしても、
大きく面積が違ってくることになります。

例えば、縦方向に柱9本、横方向に柱9本と
なるように総二階の間取りプランを描いた
とします。

すると、メーターモジュールの場合は、
縦横ともに1m×8区間=8m ずつということになり、
各階の面積が、それぞれ8m×8m=64㎡ということになります。


これに対し、尺モジュールの場合は、
縦横ともに 91cm×8区画=7.28m ずつということになり、
各階の面積が、それぞれ7.28m×7.28m=52.99㎡ ということになります。


同じ間取りを描いたとしても、
64㎡×2 ― 52.99㎡×2=22.02㎡(6.66坪)
も面積に差が出ることになります。

メーターモジュールの方が面積が広い分、
少しだけ尺モジュールよりも総額が割高にはなるので、
そこを考慮した上で価格比較をしてみたいと思います。

メーターモジュールの家:128㎡(38.72坪)・1800万円

尺モジュールの家:105.98㎡(32.05坪)・1700万円

あくまで参考例ですが、同じ材料を使った時には、
おそらくこの程度の差になるのではないでしょうか。

この場合メーターモジュールは、
1800万円÷38.72坪=46.48万円が坪単価ということになります。

そして尺モジュールは、
1700万円÷32.05坪=53.04万円が坪単価ということになります。


結果、53.04万円−46.48万円=6.56万円もの坪単価の差が、
ただモジュールを変えるだけで出てしまうのです。

坪単価の安さを前面に打ち出している会社の多くは、
メーターモジュールを採用していると思いますが、
ただ坪単価が安いだけで、家そのものが安いか
どうかは微妙なところなので、惑わされないように充分に
注意していただければと思います。
これが2つ目の要因です。

坪単価に違いを生じさせる要因 その3

坪単価に違いを生じさせる3つ目の要因は
『延床面積と総施工面積の違い』です。
延床面積とは家の床面積のことであり、これが図面に記載されている面積です。

総施工面積とは、図面に記載している面積に入っていない部分も含めた面積です。
具体的には、玄関ポーチ(外玄関)やベランダ、吹抜け、ロフト、小屋裏収納、ウッドテラス(中庭)
などといった部分を含めた面積です。

通常、見積金額の総額を延床面積で割った数字が
『坪単価』だと思っている方が多いと思います。
ですが実は、全ての住宅会社が、
この延床面積を基準に坪単価の説明をしてくれているとは限らず、
総施工面積で割った数字で説明してくる会社もあるのです。

確かに家の工事をする時には、
先程具体例を挙げた部分も全て工事をしますし、
それなりにコストもかかりますので、
それがおかしいというわけでもないのですが。

ですが、延床面積で割るのと総施工面積で割るのとでは、全く坪単価が違ってきます。
例えば、延床面積が30坪、玄関ポーチが1坪、ベランダが2坪、吹抜けが4坪、中庭が3坪あったとしましょう。
そうすると総施工面積は40坪ということになります。

家の総額が1800万円だったとしたら、
『延床面積』の場合は坪単価60万円なのに対し、
『総施工面積』の場合は坪単価45万円です。
坪単価の感じ方は全く違ってきますよね。

しかも、これは先程のモジュールの差以上に、坪単価の差が大きく開くことになります。
この錯覚にも惑わされないように注意です。

『この会社は安い!』と思って、いざ図面を描いてもらい
見積りが出てくると、予想していたよりも遥かに高い見積りが出て来てビックリした...
なんてことになってしまえば、ただ単にあなたの貴重な時間をつぶしてしまうことになります。

坪単価に違いを生じさせる要因 その4

坪単価に違いを生じさせる4つ目の要因は
『入口価格と出口価格の違い』です。

簡単に説明すると、一体どこまでの工事の費用が見積もりの中に含まれているのかが
住宅会社によって全く違うということです。

家を建てるにあたり、付帯的に必要になってくる工事というものがあります。
例えば、仮設トイレや仮設水道、仮設電気に仮設足場といった仮設工事です。

また、地盤調査費用や、各種保証費用、設計費用・建築確認申請・検査費用も
そうですし、家の外部の水道工事(屋外給排水衛生工事)や電気外線の引込工事、
照明器具やカーテン、浄化槽工事などもこの付帯工事に含まれます。

表向きの坪単価設定が安い会社や、『本体価格』として家の価格を表示している会社などは、
こういった工事を含んでいない場合が多く見受けられます。

付帯工事だけでも平均的に150万円ぐらいはかかりますし、
住宅会社によっては200万円以上もの費用を設定している会社もあります。

こういった費用を見落としたままでプランに進んでしまい、
見積もりの時に、あまりの金額の開きに驚かないようにするためにも、
安すぎるなと直感的に感じる住宅会社には注意が必要です。

また、見積書の税抜金額を大きな太字で記載し、
税込金額を小さい細字で記載している会社もあります。
これだけでも百万円以上価格差があるので、注意してくださいね。

坪単価に違いを生じさせる要因 その5

坪単価に違いを生じさせる5つ目の要因は
『標準工事とオプション工事の違い』です。
前回の記事でお伝えしましたが、家の材料は見た目は全く同じようでも
いくつかのグレードが存在しています。

例えば、外壁材の1つであるサイディングをとっても、
4~5段階ものグレードが存在します。
そして、最も高いグレードと最も低いグレードを比較してみた場合、
驚くことに100万円以上価格が違ってくることがあります。

もちろん、外壁だけではなく、床材、室内ドア、サッシ、玄関ドア、キッチン、
お風呂、材木、屋根、すべての材料にグレードが存在します。
これらのグレードを落とすことで、表面的な価格を安く設定出来るというわけです。

ですから、まずはどんな材料を標準的に使っているのかを
建てている家や建てた家を見せてもらいながら説明してもらうことで、
プラン作成に入るまでに明確にしておくことをオススメします。

その材料を使うことを前提として、
資金計画で導き出した予算の中でプランを描いてもらわないと、
後から予算が狂ってしまいますからね。


まとめ

いかがでしょうか。『家の形状の違い』から始まり、
『モジュールの違い』と『延床と総施工の違い』、
そして『入口と出口の違い』と『標準とオプションの違い』、
この5つの要因によって、坪単価は大きく違ってくることになります。

ですので、『坪単価』や『本体価格』という表示は、
全くあてにならないということなのです。

特に注文住宅をメインに設計・施工を行っている会社は、
それぞれのお客様と打合せを重ね、そこに住まう方やご家族のための住まいづくりを提供しています。
同じ大きさの建物でも、こだわりやご予算に応じて建物本体価格は当然変動してきます。

また昔に比べて選べる素材や部材の種類がとても増えたことで
選択肢が広がり、価格の幅が出やすくなっていることもあり、
単純に建物本体価格を坪単価で表現しづらい時代になってきているからです。

見かけの安さに騙されないようにだけ
注意していただければと思います。

  • 家づくり相談会
  • 建替え・リフォーム相談会
  • リノベーション相談会
知って得する魔法の「小冊子」限定プレゼント無料

  • 小冊子
  • イベント